歯周病は自覚症状のないまま全体的に進行します。 |
歯周病が恐いのは、自覚症状のないまま徐々に進行して、自覚症状がでるとかなり進行していることが多い点です。一旦進行してしまうと歯周病は自然治癒することがありません。また、1本ずつ(局所的に)悪くなるのではなく、全体的に進行する為、ある時点から急激に数本の歯を失うことがあります。 |
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歯周病にかかっている人の割合は、25歳〜34歳で75%、35歳〜64歳で80%というデータもあります。「歯を失わない」為には、歯周病に対する正しい知識を身につけ、その治療と予防を専門的に、そして確実に行うことが大切です。 |
歯周病の原因 (プラークが直接の原因で歯周病が始まります。) |
プラークとは歯の表面に付着した汚れです。これは、白く柔らかい食べカスのように見えますが、実は75%が細菌細胞です。プラーク1g当たり、1000億〜2000億個の細菌が存在し、300〜400種類の細菌で構成されています。歯ブラシで適切にプラークが除去されないと、プラーク中の細菌が集まり「バイオフィルム」が形成されます。 |
バイオフィルムとは、細菌が生産する菌体外多糖(グリコカリックス)で構成される粘液状の中で、細菌凝集を形成した状態です。このバイオフィルムの中の細菌は、バイオフィルム外の細菌と比較して、抗生物質などの抗菌剤に対して約500倍の抵抗性をもっている為、内部の細菌をなくすことは困難です。プラークはさらに強固な「歯石」へと変性して行きます。 |
歯石とは、プラークが石灰化したものです。中にエンドトキシンという有害物質を含んで悪さもしますが、表面が祖造でプラークが増加しやすいことに問題があります。また、プラークと違って歯磨きで取り除くことができませんので、専門の機器で歯石をきれいに取り除く必要があります。ただし、きれいに取り除いても、歯ブラシがうまく当たらないと2週間以内に再び歯石は形成されます。 |
歯周病の危険因子(症状を悪化・進行させる様々なリスクファクター) |
歯ぎしりや噛み合わせと歯周病 歯ぎしりや噛み合わせの状態が良くないと、歯を揺らして歯周病を悪化させます。多くは、歯周病になって歯が浮いた状態になり、噛み合わせを悪くして、歯周病が急速に進行する危険性が高くなります。 |
喫煙と歯周病 煙草を吸うと血管を収縮させ血行を悪くします。血液は、全身の細胞が必要な酸素と栄養分を運ぶ役割があり、細菌を追い出す白血球も中に存在しています。その為、血行が悪くなると、免疫力を著しく低下させ、細菌が原因である歯周病になり易く、治りにくくなってしまいます。また、喫煙はビタミンCを破壊します。ビタミンCが不足すると歯周組織の細胞も弱くなり、歯周病になり易くなります。 |
全身性疾患と歯周病 糖尿病、血液障害、免疫異常などの全身性疾患も抵抗力の低下の為、歯周病に影響します。 |
女性と歯周病 女性ホルモン(プロゲステロン、エストロゲン)が多量に分泌される思春期、開経前、妊娠中は、歯周炎を生じ易くなります。また、経口避妊薬(ピル)の使用も、プロゲステロン値を上昇させて、歯周炎に影響を与えてしまいます。更年期(閉経を前後する数年、40〜55歳ごろ)は体の変調を生じたり、ストレスの重なる時期で要注意の時期です。更年期障害や骨粗鬆症の治療には、主にエストロゲンが用いられますので、やはり歯周病に影響を与えてしまいます。ただし、更年期に歯周病が発症するわけではありませんので、女性にとって苦痛の多い更年期に少しでも快適な生活を送るために、女性特有の歯周病の危険性を理解して、定期的な予防措置と日頃のケアを心がけることが大切です。 |
その他の要因と歯周病 心身へのストレス、年齢、慰労など体の抵抗力の低下が影響します。柔らかい粘着性の食物、歯並びの悪い状態、口呼吸により口の中が乾燥しやすく、唾液による洗浄作用が低下します。 |
歯周病の治療案内
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